真空まめ知識
真空とは何でしょう?
辞書によると、真空とは「空気などの物質がまったくない空間」、「何もない状態」とあります。 科学技術では、真に空のことを「絶対真空」といいます。 しかし、この状態の実現は人類未踏であり、理想の真空、概念の中だけの真空です。そこで私達の先輩は、真空とは、自分達の住んでいる「大気圧(1気圧ではない)より低い状態」であるとしました。 今日では、JISの定義で、真空とは「大気圧より低い圧力の気体で満たされている特定の空間の状態」となっています。したがって、人の呼吸は肺を拡張して中の圧力を大気圧より低くして空気を吸込むものですから、その時、肺の中は真空になっているといえます。 キスも真空を作っているということになりますね (^_^;)

真空ってどんな状態?
真空とは、モノではなく状態です。 真空の状態は圧力で表わします。 圧力の単位はパスカル(Pa)です。真空状態をわかりやすくする為に、標高/高度と真空状態の関係を表にしてみます。
標高/高度 | 真空状態(真空度) | 相当する気体 |
---|---|---|
0m | 0kPa | 海抜0mの大気 |
333m | 4kPa | オリオン機械所在地(長野県須坂市)の大気 |
3776m | 38kPa | 富士山頂の大気 |
6000m | 54kPa | ドライポンプKRF04Aの常用真空度 |
7000m | 60kPa | ドライポンプKRF70の常用真空度 |
10000m | 75kPa | ドライポンプKRF15の常用真空度 ジェット旅客機の飛行空間 |
20km | 94kPa |
ドライポンプKHA型の到達圧力 オイルフリー真空ポンプKCP の到達真空度 |
25km | 100kPa |
ドライポンプKHH型の常用真空度 オイルフリー真空ポンプKCM の到達真空度 |
200km ~ 400km |
1.33×10-7kPa(abs) ~ 1.33×10-9kPa(abs) |
人工衛星の飛行空間 |
1000km | 1.33×10-11kPa(abs) | 宇宙空間 |
※真空度表示は同じ単位で大気圧基準と絶対圧基準がありますのでご注意ください。

たとえば、ジェット旅客機の飛行高度は約10000mです。この飛行空間は75kPaの真空状態ですので、ドライポンプKRF15を使用している時は、ジェット旅客機の飛行空間と同等の真空状態を作り出していることになります。
