技術情報

顕熱と潜熱

顕熱と潜熱とは?

顕熱とは ・・・ 温度変化を伴う熱(物の温度を変える働きをする熱)

潜熱とは ・・・ 温度変化を伴わない熱(物の状態を変える働きをする熱)

例:水の状態変化

水の温度変化と状態変化
図 1. 水の温度変化と状態変化

例えば、容器に入った水に熱を加えていくと、温度はどんどん上昇していきます。 このように「温度変化を伴う熱」を「顕熱」と言います。
「顕熱」は、はっきりとその作用が見えることから「感熱」とも呼ばれます。

一方、そのまま熱を加えていき 100℃ 以上になると、水の温度はそれ以上に上昇しなくなります。 これは水が蒸発して水蒸気になるために熱が使われるからです。

このように物質が固体から液体、液体から気体、固体から気体、あるいはそれらの逆方向へ状態変化する際に必要とする「温度変化を伴わない熱」を「潜熱」と言います。

水の状態変化
図 2. 水の状態変化

潜熱の種類

潜熱には、状態変化によって次の 5 つの名称があります。
5 つのうち 融解潜熱と凝固潜熱、蒸発潜熱と凝縮潜熱の潜熱の大きさは同じです。

  • 固体から液体に変わる ・・・ 融解潜熱(熱を吸収)
  • 液体から固体に変わる ・・・ 凝固潜熱(熱を放出)
  • 液体から気体に変わる ・・・ 蒸発潜熱(熱を吸収)
  • 気体から液体に変わる ・・・ 凝縮潜熱(熱を放出)
  • 固体から直接気体に変わる ・・・ 昇華潜熱(熱を吸収)