環境について考える
温暖化・巨大台風・集中豪雨
地球に何が起きているのでしょうか?
地球環境に対する意識は年々高まりをみせ、「地球温暖化」や「オゾン層※1破壊」というキーワードは
テレビや新聞等で目にする機会が増えています。
昨今の猛暑や豪雨、巨大台風などの異常気象は地球温暖化が原因の一つであると言われています。
今回は、環境問題である「地球温暖化」、「オゾン層破壊」と冷凍機を用いた製品に冷媒として使用している「フロン類※2」との関連について掲載したいと思います。
地球温暖化のしくみ
地球全体の気温が上昇してしまう地球温暖化は温室効果ガスの増加が影響していると考えられています。


出典:JCCCA 全国地球温暖化防止活動促進センター webサイトを参考に作成
温室効果ガスは大気中に存在しており、太陽からの熱を蓄えるという性質を持っています。このガスのおかげで地球の平均気温は 15℃ 前後に保たれていますが、温室効果ガスが全く無ければ地球の平均気温は氷点下になるとも言われています。しかし、逆に温室効果ガスが増えすぎてしまうと、今より熱が蓄積され、平均気温はどんどん上昇してしまいます。これが地球温暖化のしくみです。
地球温暖化が促進されると、「猛暑による健康被害の増加」、「豪雨の頻発化」、「台風の巨大化」、「海面水位の上昇による地表の水没」など生物にとって甚大な被害を引き起こすと考えられ、国際的に温室効果ガスを削減する流れが広まっています。
温室効果ガス
地球温暖化の要因となっている温室効果ガスの種類には、二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)、フロン類があり、二酸化炭素が総排出量全体の約 3/4 を占めます。

(気象庁ホームページより)
【表1】 材質ごとの地球温暖化係数 (二酸化炭素を1としたときの温暖化係数) |
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---|---|---|
材質 | GWP | |
フ ロ ン 類 |
R12 | 10,900 |
R22 | 1,810 | |
R134a | 1,430 | |
R407C | 1,770 | |
R410A | 2,090 | |
R32 | 675 |
フロン類の排出量は全体の 2 %と少なく見えますが、温室効果ガスの温暖化能力の指標として用いている地球温暖化係数(GWP)※5 は表 1 のように二酸化炭素と比較すると 1,000 倍以上になるものが多く、GWP 値の低い材質への移行が急がれています。
また、2016 年に開かれた環境に関する主要国の会議では、温室効果ガス削減を目的として、フロンHFC※6類を 2036 年までに 85% 削減(詳細条件あり)することが決定されています。
オゾン層が破壊されると...
ここまで地球温暖化について説明しましたが、次に
オゾン層破壊について説明します。
オゾン層破壊物質である R12、R22 などの特定フロンが大気へ放出されオゾン層へ到達すると、紫外線と
反応し塩素原子を放出します。この塩素原子がオゾン層の酸素と結合し、オゾンが破壊されます。

オゾン層破壊によるヒトへの影響
オゾン層が破壊されると紫外線が増加し、皮膚がんや白内障といった病気の発症、免疫機能の低下など、人の健康に影響を与えます。また、海の生態系を支える海面近くの植物プランクトンが減り、海の生きものが食べるエサがなくなるので、魚の数が減ります。
さらに、農作物が育たなくなり食料不足が起こります。特にコメは紫外線の影響を受けやすく、オゾン層が 1 割壊れると、収穫量が 7 割程度まで減るという研究結果もあります。
オゾン層破壊問題は1980 年代後半から注目され、
その原因がフロン類の大気放出であることが特定されました。これを受け、オゾン層保護を目的として、1996 年にフロン R12 の全廃、2020年1 月からフロン R22 が実質全廃となりました。

オゾン層破壊によるヒトへの影響
ご使用製品の冷媒は?
オリオン製品にも旧タイプのチラーやエアードライヤーには冷媒 R22 が一部採用されているため、冷凍回路が故障した際は修理ができなくなる恐れがあります。
オリオン機械では 10 年以上前から代替冷媒を使った製品へ移行が完了し、省エネでコンパクト、さらに使いやすさも追求しています。
該当製品をご使用のお客様はトラブルを防ぐため、事前に更新することをお勧めします。
当社ホームページで、冷媒R22全廃の説明をしています。