エアードライヤーの種類
エアードライヤーとは?
大気中には目に見えない水分、ゴミ、ホコリが含まれており、エアーコンプレッサで大気と共に圧縮されます。
水分等の不純物が混入した圧縮空気を、そのまま使用すると機器の作動トラブル等の原因になるため
エアードライヤーやエアーフィルターで水分やホコリ等を除去する必要があります。
エアードライヤー(圧縮空気除湿装置)は圧縮空気中の水分を除去する装置であり、その除去方法にはいくつか種類があります。
冷凍式
冷凍式エアードライヤーの仕組み
冷凍機で圧縮空気を冷却し、水分を冷却凝縮させることで分離・除湿する方式。エアードライヤーでは最も多く使用されます。冷凍サイクルは 蒸発 → 圧縮 → 凝縮 → 膨張 の 4 つの基本作用を使用していますが、エアードライヤーは冷却する圧縮空気が一定ではなく、変動の多い負荷では冷凍機を安定して制御することが困難です。そのため、冷凍機を連続運転した際に無負荷になっても運転に支障が出ないよう冷媒の蒸発圧力を一定以上に保つ制御がプラスされています。
> 製品情報|冷凍式エアードライヤー
負荷減少かつ蒸発圧力低下時に CCV の弁が開き、圧縮機から出た高温圧の冷媒ガスを蒸発器に流し、蒸発器内の冷媒圧力を一定に保ちます。
吸着式
吸着式エアードライヤーの仕組み
吸着式は、圧縮空気中の水分を吸着剤(乾燥材)によって吸着除去する方式。冷凍式エアードライヤーと比べて、より低露点の圧縮空気の供給が可能です。吸着筒(吸着剤が入った筒)を偶数本備え、吸着筒を 2 グループに分けることで片側のグループが水分を吸着している間、もう片側のグループでは吸着材の再生(乾燥)を行います。吸着剤の再生には、水分を除去した圧縮空気の一部を使用します。
> 製品情報|ヒートレス(吸着式)エアードライヤー
空気入口から入った圧縮空気は、B 筒に流れ、吸着除湿されます。吸着除湿された空気の一部は A 筒に流れ、エキゾートバルブを通じて機外に排出されます。
A 筒の再生工程を終えると、エキゾーストバルブを閉じ、A 筒内の圧力を昇圧させます。
A 筒の昇圧が修了すると、A 筒と B 筒の役割を切り替えます。一連の動作を繰り返し行うことで、圧縮空気を吸着除湿します。
メンブレン式(膜式)
メンブレン式(膜式)エアードライヤーの仕組み
メンブレン式は、表面積が広く、耐圧性のある中空の細い糸状の形をした中空糸膜を用いて水分を分離・除去する方式。中空糸膜の「水蒸気は透過し、酸素・窒素は透過しにくい」性質を利用して除湿します。分離した水蒸気は除湿した乾燥空気の一部をパージエアーとして利用し、大気へ放出します。
中空糸の内側に圧縮空気(湿潤空気)、外側にパージエアー(乾燥空気)を供給することで膜の内側と外側の水蒸気分圧差により圧縮空気中の水蒸気が膜に浸透します。水蒸気は外側からパージエアーとともに排出され、連続的に除湿が行われます。除湿水分は水蒸気として排出されるため水滴の発生はありません。
> 製品情報|膜式エアードライヤー
膨張分離式
膨張分離式エアードライヤーの仕組み
遠心力を発生させて分離・除去するとともに、断熱膨張により冷却除去を行う方式。冷凍式や吸着式、膜式のような低露点を得ることはできませんが容易に乾燥空気を得ることができます。
> 製品情報|膨張分離式エアードライヤー
- 過飽和水分を分離
- フォグ状の水分を水滴化
- 微小な水分を衝突分離
- 発生した水滴を重力分離
- 独自の機構で壁面を冷却
- 入口空気と熱交換
- ボール内に溜まった水滴を排出