水素発生装置の用途例 ~ 研究・分析などに

研究・分析

ガスクロマトグラフ(ガスクロ)/水素炎イオン化検出器(FID)での使用

ガスクロマトグラフ(ガスクロ)とは、気体の中の特定のガス濃度を測る装置です。濃度を測りたいガスをサンプルガス入口に入れると、ガスの濃度はクロマトチャートで確認できます。

水素は、ガスクロ の流路に常に流し続けるガス(キャリア―ガス)として使用されます。キャリア―ガスには、ヘリウムガスが使われることも多いですが、近年では供給不足や価格高騰から、水素ガスが代用されることもあります。

ガスクロマトグラフ・FIDでの使用例

ガスクロ内の検出器が水素炎イオン化検出器(FID)の場合には、ここでも水素が使われます。FID では、主に有機化合物を、水素炎中で燃焼させることで発生するイオンを検知し、有機化合物の濃度を測定します。

ガスクロは、例えば、工場の排気ガスや街中の空気中の有害物質の濃度がどのくらいかを調べるときなどに使用されます。ほかにも、食品の香り成分の分析、科学捜査、考古学、化学物質の分析など様々な分野で使用されます。

溶接・加工

水素バーナーでの使用

水素バーナーとは、化石燃料ガスの代替として水素ガスを使用しているバーナーです。そのため、二酸化炭素の排出が低減され、煤が出にくくなります。また、化石燃料ガスと比較して燃焼速度が速いため、短時間で集中的に温度が上昇し、局所加熱に優れています。

水素バーナーでの使用例

水素バーナーは、局所的かつ高火力のため、ロウ付けやはんだ付けを短時間で作業完了させることができます。成型部品のバリ処理やガラス加工にも用いられます。

エネルギー

燃料電池での使用

燃料電池は、水素と空気中の酸素を化学反応させ電気エネルギーをつくることで、電力を供給します。

燃料電池は、従来のガソリンエンジンの発動発電機を代替する電源として注目されています。また、停電時の非常用電源としての活用や、工事現場や各種保守作業で使われる可搬型電源としての活用もできます。

燃料電池での使用例

オリオンの水素発生装置は小型のため、燃料電池とともに持ち運びが可能ですが、非常時など電気の使用が難しい場合は、水素を事前にキャニスターなどに蓄えておく使用方法もおすすめです。