オリオン独自のノウハウ

ライナー交換の重要性とシリコーン製ライナーのメリット

現在、弊社では合成ゴム製ライナーとシリコーン製ライナーの 2 種類を取扱っています。ライナーはミルカーの中で唯一乳牛(乳頭)に接する部分です。毎日の搾乳で常に同じ動きを繰り返すうちに、『ライナーのつぶれ圧』が徐々に低下して乳頭に影響します。

牛の健康を維持するためにも定期的な交換が重要です。

  

ライナーの交換が遅れると…?

右の写真は使用3ケ月以上で交換したライナーです。毎日の搾乳や洗浄でライナーが伸び、形状も楕円化してつぶれ圧が低くなるため、搾乳に様々な影響をもたらします。

  

つぶれ圧が低くなったライナーが搾乳にもたらす影響

  • 搾乳時間が長くなる
  • ライナーが劣化して細菌の温床となり、乳房炎感染につながる
  • 古くなったライナーに慣れると、新しいライナーに交換したときに変化が大きく、牛が嫌がる
  • ライナーの開きが遅くなり搾乳性が低下する(搾乳時間が長くなる)
  • ライナーの閉じる力が低くなりマッサージ効果が低下する

 

クラックの発生

古くなったライナーは内部にクラックが発生します。クラックとは乾燥収縮や膨張などによって表面に生じた小さなひび割れのことです。クラックが発生したライナーで搾乳を行うとクラック内に付着した汚れによって細菌数の増加につながります。

オリオン製ライナーの交換頻度算出方法

■ ゴム製ライナー:搾乳頭数1500回ごと、または3ヶ月の早い方

(1500回×ユニット台数)÷(搾乳頭数×搾乳回数/日)=交換日数

 例:40頭搾乳、ユニット4台使用、1日2回搾乳の場合
  (1500回×4ユニット)÷(40頭×2搾乳/日)=75日(2.5ケ月)で交換

  

■ シリコーン製ライナー:搾乳頭数3000回ごと、または6ヶ月の早い方

 (3000回×ユニット台数)÷(搾乳頭数×搾乳回数/日)=交換日数

 例:40頭搾乳、ユニット4台使用、1日2回搾乳の場合
  (3000回×4ユニット)÷(40頭×2搾乳/日)=150日(5ケ月)で交換

※GEA製ライナーの交換頻度は種類ごと異となります。

  

シリコーン製ライナーの有用性

近年、従来の合成ゴム製ライナーをご使用されていたお客様がシリコーン製ライナーを選択する事例が増えています。

■性能が落ちにくい

柔軟性が高く劣化しにくいというシリコーンの特長から、合成ゴム製ライナーに比べて性能が2倍(当社比)持続します。

■ 搾乳性の向上

高い柔軟性により乳頭への追従性が高く、搾乳時に牛にかかるダメージを軽減することができます。気温による柔軟性の変化や劣化によるひび割れが少ないため、ライナースリップや乳頭基部の締め付けが起こりにくく搾乳時間の短縮・ピーク流量の増加が期待できます。

シリコーン製ライナーは追従性が高く、幅広い乳頭の太さに対応できるので、搾乳の前半と後半で乳頭形状が変化してもライナーがせり上がりしにくいです。

  

■ 安全性の向上

シリコーンは耐熱性・耐久性に優れ、化学的安定性も高く、食品に適しています。また、従来の合成ゴムと比較して摩擦や損傷が少なく、搾乳時の乳頭へのダメージを軽減します。

■ 作業性の向上

シリコーン製ライナーを選択することで弊社の軽量搾乳ユニット『ジャストユニット®』で搾乳が可能となり、搾乳者の軽労化が図れます。従来のクローからジャストユニットに更新すると710g(当社比)の軽量化が図れます。

     

注意事項

  • 詳細はお近くの営業所にお尋ねください
  • シリコーン製ライナーは、合成ゴム製ライナーと比較し裂けやすい性質があります。「ライナーガード」の装着を推奨します。
  • 合成ゴム製ライナーからシリコーン製ライナーへ更新時、樹脂製ティートカップシェルの変更を推奨します。※詳細は「ジャストユニット®JFW350 」のページを参照してください。