現在、弊社では合成ゴム製ライナーとシリコーン製ライナーの 2 種類を取扱っています。ライナーはミルカーの中で唯一乳牛(乳頭)に接する部分です。毎日の搾乳で常に同じ動きを繰り返すうちに、『ライナーのつぶれ圧』が徐々に低下して乳頭に影響します。
牛の健康を維持するためにも定期的な交換が重要です。
右の写真は使用3ケ月以上で交換したライナーです。毎日の搾乳や洗浄でライナーが伸び、形状も楕円化してつぶれ圧が低くなるため、搾乳に様々な影響をもたらします。
古くなったライナーは内部にクラックが発生します。クラックとは乾燥収縮や膨張などによって表面に生じた小さなひび割れのことです。クラックが発生したライナーで搾乳を行うとクラック内に付着した汚れによって細菌数の増加につながります。
(1500回×ユニット台数)÷(搾乳頭数×搾乳回数/日)=交換日数
例:40頭搾乳、ユニット4台使用、1日2回搾乳の場合
(1500回×4ユニット)÷(40頭×2搾乳/日)=75日(2.5ケ月)で交換
(3000回×ユニット台数)÷(搾乳頭数×搾乳回数/日)=交換日数
例:40頭搾乳、ユニット4台使用、1日2回搾乳の場合
(3000回×4ユニット)÷(40頭×2搾乳/日)=150日(5ケ月)で交換
※GEA製ライナーの交換頻度は種類ごと異となります。
近年、従来の合成ゴム製ライナーをご使用されていたお客様がシリコーン製ライナーを選択する事例が増えています。
柔軟性が高く劣化しにくいというシリコーンの特長から、合成ゴム製ライナーに比べて性能が2倍(当社比)持続します。
高い柔軟性により乳頭への追従性が高く、搾乳時に牛にかかるダメージを軽減することができます。気温による柔軟性の変化や劣化によるひび割れが少ないため、ライナースリップや乳頭基部の締め付けが起こりにくく搾乳時間の短縮・ピーク流量の増加が期待できます。
シリコーン製ライナーは追従性が高く、幅広い乳頭の太さに対応できるので、搾乳の前半と後半で乳頭形状が変化してもライナーがせり上がりしにくいです。
シリコーンは耐熱性・耐久性に優れ、化学的安定性も高く、食品に適しています。また、従来の合成ゴムと比較して摩擦や損傷が少なく、搾乳時の乳頭へのダメージを軽減します。
シリコーン製ライナーを選択することで弊社の軽量搾乳ユニット『ジャストユニット®』で搾乳が可能となり、搾乳者の軽労化が図れます。従来のクローからジャストユニットに更新すると710g(当社比)の軽量化が図れます。