教えて!吉田先生

教えて!吉田先生「糖蜜飼料の効果と使い方」

糖蜜はサトウキビやテンサイを主原料にして、粗糖を精製するときに出る液状の副産物です。そのままの液状飼料と、糖蜜吸着飼料と呼ばれる固形飼料があります。

①糖蜜給与のメリット

  • 嗜好性が高く、夏場や周産期など食欲低下時に採食量の増加がねらえます。糖蜜を飼料に添加した時の採食量の増加については第1図の通りで効果が大きいです。
  • 牛のルーメン内微生物に対して即効性のエネルギー源として、微生物の活性を促し、微生物体タンパクの合成量を増加させる効果があります。
  • その他、液状糖蜜はペレット飼料の成型効果、粉体飼料の塵埃防止効果などがあります。

 

②適正な給与量の目安

  • 搾乳牛用の配合飼料にはすでに2~5%の糖蜜が含まれているので、使用する糖蜜の量は原液量で1日1頭当たり400~500g以内が良いようです。
  • ビタミン・ミネラルの補給を主体として成型された固形飼料の場合は、1日の舐める量から糖蜜摂取量を勘案して、適宜収納したり給飼したりできるので、牛の状態と泌乳ステージに合わせて調整すればよいと思います。

 

  

参考資料

第1図:「廃糖蜜の飼料成分と泌乳牛に対する嗜好性」九州農業研究(九農研),神谷 充ら,2004年5月,no.66

    

回答者:吉田 宮雄(オリオン機械㈱顧問)

プロフィール

北海道大学獣医学部予防治療学修士課程修了後、長野県畜産試験場酪農部で18年間「乳牛の飼養管理に関する試験研究」に従事。その後、長野県畜産試験場場長として試験研究を総括。平成26年よりオリオン機械㈱の顧問となる。