株式会社小沢牧場様(長野県南箕輪村)は、小澤敏雄様、ご子息の雄太様とお母様、アルバイトの女性1名の計4名で運営しています。敏雄様は、農業高校・専門学校を卒業後、就農されました。雄太様は大学を卒業後、食品関連企業に就職されましたが、お父様を手伝いたいという思いが次第に強くなり、2年前に就農されました。今回は、2016年4月に新築牛舎を建てられ、CM20P(チャレンジマン20プレシジョン)を導入されたことで、どのように酪農経営が変わったかをお伺いしました。
導入機種 | 搾乳制御装置「MMD500」 つなぎ飼い用 粗飼料・配合飼料自動給飼機「マックスフィーダー®」 精密飼養管理システム「VMAP-3」等 |
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飼養頭数 | 搾乳牛:67頭、乾乳牛:3頭、育成牛:46頭 |
飼養形態 | 対尻式つなぎ飼養 |
給与飼料 | チモシー・オーチャードグラス:22.8ha(自給) |
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平均乳量 | 31.5kg/頭(2016年11月現在) |
雄太様:就農してみて、酪農は大変だなというのが第一印象です。サラリーマンと違って朝が早くて休日もなく、また牛や機械をどう扱っていいのかわからず、初めは戸惑いました。自ら本を読んで勉強し、牛や作業に慣れてきた頃、牧場で体細胞数が増えた時期がありました。なんとかしたいとの思いから、アドバイスをもらい搾乳方法を改善することにしました。プレディッピングの導入等搾乳前の手順を変更するなど搾乳方法を改善したところ、体細胞は下がり、乳質も良くなりました。搾乳方法を変えたことや全員の乳質を良くしたいという気持ちが結果として現れ、酪農の楽しさ・やりがいを感じました。
敏雄様:以前はグレーンフィーダー(配合飼料自動給飼機)を使用していました。グレーンフィーダーでは1日7回配合飼料を給飼し、手で4回粗飼料を給飼していました。マックスフィーダーは、粗飼料と配合飼料を自動給飼してくれるので、20頭増頭しましたが、エサ作りも含めて給飼時間は1時間も短くなりました。粗飼料を7回給飼できるようになったことでエサの食い込みも良くなり、ルーメンpHの状態も常に安定するようになりました。また、泌乳ステージに合わせてパターン給飼できるので、BCSを調整でき、乳量も1頭30kg/日から33kg/日に増えました。今は繁殖を考慮し、乳量は31.5kg/日をめどに調整しています。
雄太様:MMD500とVMAP-3を連携させたことで、個体ごとに乳量や乳温、電気伝導度のデータを蓄積し、確認できるようになりました。異常があった場合はMMD500のランプが点滅して教えてくれるので、注意してその牛を見るようになり、問題の早期発見につながっています。また、発情予定日もMMD500でランプ表示するので、今まで発情が弱く見逃しやすかった牛も注意して観察することができ、発情発見率の向上につながっています。発情は90%見つけられるようになりました。
敏雄様:これまでは手書きの台帳で乳量や繁殖の管理を行っていましたが、今ではVMAP-3を見れば牛の情報がすぐにわかるので、帳簿で探す作業もなくなりとても楽になりました。またVMAP-3である個体に搾乳禁止乳房があった場合、VMAP-3上でその個体の乳房にチェックをすることで搾乳時にMMD500にランプがついてくれるので、誤って搾乳することが防止でき、とても使い勝手がいいと思います。
雄太様:以前はユニットキャリー(手動式搾乳ユニット搬送装置)を使用していましたが、キャリロボを導入したことで、ユニットを運ぶ手間がなくなりとても楽になりました。キャリロボが移動する時間を使って牛の観察をしたり、搾乳作業を行えるなど人間の動きの無駄がなくなり、70頭牛舎でも旧牛舎(50頭)とほぼ同じ時間で搾乳ができています。 また、ジャストユニットを初めて使ったときは少し軽くて違和感がありましたが、使っていくうちにすぐに慣れました。ジャストユニットは軽量なのでライナースリップがほとんどなく、生乳の流れがよく見えるので、過搾乳の防止に役立っています。
雄太様:今後は、すべての酪農に関わる作業と酪農経営を堅実に行えるように学び、地を固めてから、6次産業も視野に入れ毎日夢を持って楽しく仕事をしたいと思っています。