株式会社ふくち様(北海道音更町)は、福地能卓様とご子息の裕揮様、他4名の計6名で運営されています。酪農と畑作を兼業し、畑作では小麦、芋(食用・加工品)、人参、豆等の栽培をされています。
2015年12月牛舎を新築。搾乳ロボットMIone、自動給飼システムミックスフィーダー、カウスカウト等を導入され、大幅な自動化を図られました。
導入機器 | 自動搾乳ロボット「MIone」:2Box 繁殖管理メッセンジャー「カウスカウト」 フリーストール用 自動給飼機「ミックスフィーダー」 エレベーター一体型ストッカー「GM17」 |
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飼養頭数 | 搾乳牛:80頭(MIone牛舎:52頭+繋ぎ飼い牛舎:28頭) 乾乳牛:5頭、育成牛:24頭 |
飼養形態 | 4Rowフリーストール牛舎(120床)、つなぎ牛舎 |
給与飼料 | コーンサイレージ・イタリアンライグラス:合計35ha |
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能卓様: 理由は3つあります。
1つ目は、時間の削減です。夏場になると畑作が忙しくなるので、牧場の拘束時間を短くしたいと思っていました。酪農はエサ作りと搾乳にいちばん時間がかかるので、牛舎作業を自動化するためMIoneとミックスフィーダーを導入しました。
2つ目が、MIone牛舎のミルキングリードという考えです。「牛はロボットで搾乳をしなければエサを食べることができない」というシステムが私の考えと共鳴しました。
3つ目が、増収です。今以上の収入を得るには、これからどういう経営をしていくべきかと考え選びました。また、以前からの北海道オリオンとの付き合いも大きな要因です。
能卓様: つなぎ牛舎からMIone牛舎に移動した際、これまでつなぎ牛舎にいた牛の中には段差を登れず、80頭中25頭(主に3産の牛や治療牛)はつなぎ牛舎に戻すことにしました。残りの55頭は20日間ほどでロボットへ追う必要もなくなり、ロボット牛舎にすぐに順応し、牛の順応の早さに驚きました。周りの方から「バーンスクレーパーに巻き込まれて牛がダメになってしまう」という話も聞いていましたが、バーンスクレーパーで脚が開いた牛は2頭のみで、1頭は旧牛舎に移動させ、もう1頭はバンドをつけて今も普通に生活ができています。新しく購入した牛も早くて2~3 日、長くて1週間でロボット牛舎に適応できています。
裕揮様: MIoneが稼働して、肉体的にとても楽になりました。さらに、余裕ができた時間で以前より牛の観察などができるようになりました。110頭規模をパーラーで運営しようとすると4~5人必要になりますが、MIoneは24時間搾乳をしてくれるタンデムパーラーと同じなので、1人で運営できています。 ロボットも大きな問題はなく動いてくれています。また、同時にカウスカウトをいれたことで、発情発見率があがりました。パソコンに発情のお知らせが来て、牛舎でその牛を見ると90%くらいは発情がきており、授精できるチャンスは増えました。
能卓様: 5年前につなぎ牛舎にマックスフィーダー(自動給飼機)を導入しました。個体別給飼と多回数給飼(7回/日)により5年連続で年間乳量が伸びて、導入コストと乳価を考えてもプラスになり、コストパフォーマンスの高い製品だと思いました。その経験から、MIoneと同時にミックスフィーダー(フリーストール用 自動給飼機)も導入しました。
裕揮様 : MIoneが稼働して20日後、平均訪問回数は2.5 回、平均乳量は25kg/頭でした。旧牛舎では平均28kg/日で、ロボット牛舎に変えたからには30kg/頭に伸ばしたいと思っていました。 試行錯誤の結果、ミックスフィーダーの給飼回数を11回にしたところ搾乳回数は3回になり、乳量も30kg/頭(2016年2月現在)になりました。 ミックスフィーダーは、給飼のたびに飼料の積込みとかくはんをしてPMRを作るので、毎回新しいエサを食べられるという動機付けとミルキングリードという考えが平均搾乳回数と乳量の増加につながったのだと思います。また、ミックスフィーダーにはエサ寄せ機能(オプション)もついているので、エサ寄せ作業の時間も減り、今は朝の5分間のみで済んでいます。
能卓様: 今後の目標は、総収入額を2倍にするために増頭と乳量アップをしていきたいと思います。ロボット牛舎に110頭、繋ぎ牛舎に50頭で合計160頭にし、乳量も現在の平均30kg/日から、35kg/日にアップ※していきたいと思います。
※2016年6月現在、1頭当たり平均乳量は33kgまで増加しています。