大島牧場(熊本県菊池市)は、2016年5月からMIoneでの搾乳を開始しました。今回お話をお伺いした大島洋平様は、大学卒業後、「酪農は頑張った分結果としてでること」「将来の可能性に限界がないこと」等を理由に就農されました。以前は洋平様とお父様、お母様の3人でパーラー搾乳を行っていましたが、家族経営で規模を拡大していくには時間的にも肉体的にも厳しいと考え、規模を拡大しても少人数で運営することのできるMIoneを導入されました。
導入機器 | 自動搾乳ロボット MIone:2Box 自動エサ寄せ機「MOOV Pro」 繁殖管理メッセンジャー「カウスカウト」 |
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平均乳量 | MIone牛舎:34kg/頭[2016年7月現在] |
飼養頭数 | 搾乳牛:122頭(MIone牛舎:76頭+パーラー牛舎:46頭) 乾乳牛:10頭、育成牛:60頭 |
飼養形態 | フリーストール牛舎:2棟 |
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給与飼料 | デントコーン:13ha イタリアンライグラス:6ha WCS:3ha |
搾乳ロボットを知るために様々な搾乳ロボットの視察に行きました。MIoneを選んだのはオリオンを信頼していたからです。それは父も同じで、夜中でも修理の電話をすると「すぐ行きます!!」と来てくれます。搾乳ロボットを導入すればますますメンテナンスが重要であると考え、サービスが良いオリオンにしようと思いました。 また、もうひとつは経済的な理由もあります。他社の搾乳ロボットと違い「マルチボックスシステム」は搾乳ロボットの頭脳でもあるロボットユニット1台で複数ボックスを搾乳することができます。単純に搾乳ロボットを2台買うわけではないので、初期投資が抑えられたのも理由の1つです。将来さらに規模拡大を行いたいと思っているので、ボックスを増設するだけで規模拡大ができるのも魅力的でした。
搾乳頭数が以前の1.5倍にまで規模拡大できました。122頭をパーラーだけで搾ることを考えると労力はかなり省力化されたと思います。牛の動線を牛舎設計から考え、ガイドエクジット方式のMIoneを採用したことで、待機場からMIone、MIoneから飼槽への牛の移動が非常にスムーズで、新たにロボット牛舎に移した牛でも3日位で慣れています。 また、MIoneやカウスカウトにより、今まで牛の観察だけではわからなかった、乳量や電気伝導度、採食時間などがデータとしてわかるようになり、病気の早期発見と早期対策につながっています。MIone導入後は、搾乳も1日3回以上になったこともあり乳量も増加傾向にあります。
パーラーでの搾乳は時間をとられていましたが、乳を触ることができたので乳房はよく見ていました。MIoneを導入してからは搾乳中は牛を見なくなったので、様々なデータを活用しエサをどのように食べているか、痩せていないか、呼吸は荒くないかなどを観察するようになりました。搾乳をしない分、牛を見る時間が増えました。細かく見られるようになったことで疾病の早期発見ができ、例えばケトーシスがすぐにわかり注射1本で完治したり、体調が悪い牛に薬を飲ませるだけで済むなど重症化しないように対策を打てるようになりました。
カウスカウトでいちばん見るのは採食時間です。一見すると体調が悪くなさそうな牛でも採食時間が落ちたデータを確認したことで、病気の早期発見ができ、重症化を防げたことがありました。また、発情発見率がかなり増えました。以前はスタンティングや粘液で判断していましたが見逃しも多かったと思います。今では夜中の活動量も確認できるので、採食状態とあわせて観察を行い、90%の確率で発見できるようになりました。
これまでは1回5分のエサ寄せ作業を1日5回行っていたので、移動時間を含めると多くの時間と労力を費やしていました。MOOV導入後は 1日10回自動でエサ寄せをしてくれるので、MOOVが省力化に大きく貢献しています。今ではMOOVが動き出すとエサが近くに来ることを牛が覚え、採食量が増えるとともに、MIoneへ入るきっかけとなっています。また、エサ寄せ回数が増えたことで、弱い牛が以前よりエサを食べることができるようになりました。
MIoneを3BOXにして規模拡大をすることです。ロボット搾乳の開始がゴールではなく、今はスタートラインに立ったばかりです。個体乳量を上げ、さらに規模拡大を続けていきたいと思います。