真空ポンプ選定時の注意事項
標高補正係数について
標高によりポンプの真空度は補正分マイナスとなります。
標高(m) | 補正値(kPa) |
---|---|
100 | 1.2 |
200 | 2.4 |
300 | 3.6 |
400 | 4.7 |
500 | 5.9 |
600 | 7.0 |
700 | 8.1 |
800 | 9.3 |
900 | 10.4 |
1,000 | 11.5 |
ご使用地域の標高が高い場合、1気圧下における真空度とご使用地域における真空度に差異が発生しますので、ご注意ください。
下記の式で換算できます。
到達真空度簡易補正式[kPa] = 使用表記載の到達真空度[kPa] - 標高[m] × 0.0115[kPa/m]
能力線図(性能曲線)について
真空ポンプの能力線図において、縦軸に吸込状態下流量(ポンプ吸気口を通る気体の体積流量;真空状態下)を用いる場合と1気圧下流量(ポンプ排気口を通る気体の体積流量;大気圧下)を用いる場合があります。 一定量の気体の体積は圧力に反比例するため、圧力が異なると体積流量も大きく異なります。 ポンプを比較する際にはご注意ください。
縦軸が排気速度(※)で表されている場合は、弊社で使用している吸込状態下流量と比較してください。
※排気速度:真空ポンプの大きさ・性能を示す基準であり、ポンプ吸気口を通る気体の体積流量と定義されています。
オイルフリー真空ポンプKCP・KCE・KCMの能力線図では2つの流量を併記しています。
KCP100-V-01Aの場合
配管抵抗について
真空ポンプを最適にご使用いただくためには、お客様の装置と真空ポンプの配管の考慮が必要です。 配管径路が長い場合や配管径が細い場合には圧力損失になり、真空ポンプの性能がフルに発揮されない場合はあります。 配管は真空ポンプの配管接続口径と同じかそれ以上の太さのものを使用し、長さは極力短くすることにより圧力損失(配管抵抗)を低減することができます。
真空ポンプKCEの省エネ事例(真空成形機)
プラスチックの成形機を所有されているお客様で水封式ポンプからオイルフリー真空ポンプベーシックモデルKCP150D-V2台に更新された事例をご紹介します。 元々は成形機2台を水封式ポンプ1台で集中配管されており、配管は細く長さは約25mありました。 これに対し、成形機1台に対してポンプ1台の分散配管をご提案させていただきました。成形機の近くにそれぞれKCP150D-Vを設置して配管の長さが約5mとなったことで、ポンプの性能向上と合わせ更新前後でモータ出力を半減することができました。 配管の見直しにより最適なポンプを使用でき、結果として省エネとなります。
改善前 | 改善後 | |
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状況 | 成形機2台に対してポンプ1台 ※配管は細く、長さは約25m |
成形機1台に対してポンプ1台 ※配管の内径は充分で長さは約5m |
真空ポンプ | 水封式ポンプ | KCP150D-V×2台 |
モータ出力 | 15kW | 7.4kW(3.7kW×2台) |