搾乳関連機器-点検のポイント

10.搾乳者が注意すべき点

『乳房炎』『体細胞数』『生菌数』を減らし『良質乳を維持する』は牛乳を搾る皆さんだけでなく、私達にとっても共通の願いです。

『乳房炎の原因はミルカーだと言われたので点検して欲しい』との電話を受ける事がありますが、乳房炎の原因は『細菌』であり、原因や要因は決して一つではありません。

乳房炎を様々な角度から見つめ、細菌の感染源を見つけ出す事ができる『各指導機関との協力体制』を作り、早期改善を図るための方策を2回に分けて掲載します。

今回は<乳房炎・体細胞>から皆さんの搾乳を見たいと思います。

体細胞数増加要因の70%は人

私達は乳房炎や体細胞数の増加が発生した場合には次の5項目の順で調査し対策します。

1. 環境性細菌か伝染性乳房炎か確認する
2. 細菌感染源のすべてを見つけ出す
3. どこをどのように改善したら良いか協議する
4. 改善の優先順位を決めて実施する
5. 季節による環境の変化も考え再発防止を図る

体細胞数増加の要因は『牛:5%』『機械:25%』『人:70%』と言われています。

体細胞数増加の要因

搾乳機械の日常点検は皆さんの役割ですが、体細胞数増加の要因となりやすい牛舎・牛体の環境衛生や搾乳技術は乳業メーカー・酪農組合・改良普及所の指導員、家畜保健所、獣医師、飼料メーカー、経営コンサルタント等各指導機関からの助言がなくては改善されません。

皆さんや搾乳者に起因する体細胞数増加の要因(70%)として、搾乳前後で『乳牛がどんなストレス(不快)を感じるか』を次表にまとめてみました。

搾乳前にストレスを感じる

乳牛がとる行動 ストレスの要因 ストレスの結果
  • 牛床から起きない
  • パーラー室に入らない
  • 棒でたたく
  • 大声を出す
  • アドレナリンの分泌

搾乳中にストレスを感じる

ストレスの要因 ストレスの結果 皆さんが行う作業
  • 搾乳作業内容の変更
  • 搾乳手順の変更
  • 搾乳者の変更
  • クロー内真空圧の変動
  • 真空圧が高い
  • 真空圧が低い
  • ライナースリップ
  • 過搾乳
  • 乳頭が痛んでいる
  • アドレナリンの分泌
  • 牛乳の流出を搾乳途中で止めてしまう
  • ユニットを蹴落とす
  • 足で蹴ってユニットを装着させない
  • ユニットを再装着する
  • カウキーパーをして搾る

乳牛はストレスを感じると泌乳停止や蹴る行為で意志表示をします。安全な搾乳作業をするためにカウキーパー(足上げ防止器)は必要ですが、搾乳時には減らしたい作業の一つです。

『何故しなければならないか?』『何がストレスの原因か?』をもう一度考える必要があります。また乳牛個々の泌乳特性に合わせた搾乳を行う事も大事です。

泌乳特性による自動離脱装置の使い分け

泌乳特性 自動離脱装置
1 標準牛 4乳区が揃っている 自動
2 2度おろしの牛 搾乳途中で終了と判断する 手動
3 しぶい牛 終了の判断が遅くなりやすい 手動
4 その他 残乳があると乳房炎になりやすい牛 手動
乳牛の泌乳特性

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