搾乳関連機器-点検のポイント

2.ミルカーの日常点検・真空圧の維持管理

搾乳前の第一作業は『真空圧の確認』

ミルカーのスイッチを入れた時は必ず、皆さまの目 でいつも同じ真空圧であること。すなわち真空計の指針がいつも同じ位置を示していることを確認しましょう。

注)後述しますが、真空圧は牧場毎に設定値が違います。図1の通り真空計に印を付け、常に真空計の指針が同じ位置を示していることを確認しましょう。(ヘルパーさんのためにも必要です)

図1真空計の印、指針位置

図1真空計の印、指針位置

真空圧の変化は、ミルククローから乳頭へと伝わり、 皆さまの乳牛 が敏感に感じ取ります。

ほとんどの乳牛はユニット装着後1分前後で泌乳のピークを迎えますが、泌乳ピーク時が搾乳の中で一番ミルククロー内の真空圧が低くなります。すなわち乳頭にかかる真空圧が一番低くなるのです。また、泌乳量の多い牛ほど乳頭にかかる真空圧が下がります。

ミルククロー内の真空圧が高すぎると乳頭を刺激し、過搾乳等によって乳頭を痛めやすくなります。またミルククロー内の真空圧が低すぎるとマッサージ不足が起こって、過搾乳症状となり乳頭を痛めます。
ASABEおよびNMCでは『泌乳ピーク時のミルククロー内真空圧』の推奨範囲を “35kPa(26cmHg)~ 42kPa(32cmHg)”としています。

注)ASABE:米国農業・生物工学会、NMC:全米乳房炎協議会

泌乳ピーク時のミルククロー内真空圧

常に一定の真空圧(搾乳圧)が乳牛にとって最も心地良いのです。
私達は搾乳立ち会いの際、必ずその牧場で一番泌乳量の多い牛を選定し、専用の測定器を使って『泌乳ピーク時のミルククロー内真空圧』を測定します。
測定結果から、泌乳ピーク時のミルククロー内の真空圧が、推奨範囲の35kPa~42kPaにあるか否かを確認し、推奨範囲外の時は1.5kPa以内で真空圧の調整をします。
真空圧の設定は、乳牛の泌乳量によって違ってきます。【すなわち牧場によって違う】のです。乳牛の泌乳量によって真空圧の設定が変わることを再認識していただき、『泌乳ピーク時のミルククロー内真空圧』の測定と、皆さまの牧場に合った真空圧の調整を、代理店さんに相談してはどうですか?

乳牛は分娩後1~2ケ月で乳量のピークを迎え、次第に低下して行きます。したがって、常に真空圧の調整対象となる乳牛は変わります。そのために、少なくとも年1回はミルカーシステムの点検が必要となります。


|1/3|次のページ